思い

刀剣は当然ながら切る又は突く事を目的とした武器である。

しかし時代により他に意味が出来てくる。

神話の時代、国の護りとなる聖なるものとして永く信仰され続け精神性を重視した。

後、使うという事を極限まで追求した実用へと変化して行き、その価値が重宝され
「刀は武士の魂」とまで言われ高い格式が与えられて資産価値が生まれる。

故に将軍、大名、家臣など武家社会の贈答品や戦における報奨品として使われた。

戦後は、民間武装解除指令、刀剣製造禁止令により美術刀剣として生きていく道を選ばざるをえなかったのである。

我々の大先輩のよく言われた言葉だが

「私たちは先人達によって生かされている、今行っているどんな小さな技術でもそれは先人達の大変な努力と経験の中から生まれたものだ。私達は先人達から受け継いだ技術を無くす事なく、欲を言えば一つでも新しい技術を上乗せして次の世代に繋げていかなければならない、それが先人達によって生かされている私達の義務であり、又それが後の世代を生かす事になる。」

とある、この言葉は決して忘れてはいけないと思う。

そして何より理屈抜きに純粋に刀が好きだ。刀の為ならどんな困難も乗り越えられる。

その気持ちが失われない限り私は刀鍛冶を続けて行く事ができる。

加藤 慎平